東京都新宿区四谷の「ルキナ新宿四谷クリニック」です。当院では、患者さま一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療を提供しています。
本記事では、アポクリン汗腺の特徴やワキガとの関係、さらにアポクリン汗腺を除去する治療法について解説します。ぜひご参考ください。
アポクリン汗腺とは
人の皮膚には、汗をつくり皮膚の表面へ分泌する「汗腺」と呼ばれる管があります。この汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。
エクリン汗腺は全身に広く分布しており、主に体温調節のために水分を多く含んだサラサラした汗を分泌します。ほとんど臭いを伴わないのが特徴です。
一方、アポクリン汗腺はワキの下、乳首、下腹部、耳など限られた部位に存在し、毛根部分に開口しています。分泌される汗には脂質やたんぱく質が多く含まれ、皮膚表面の常在菌によって分解されることで特有の臭いが生じます。

ワキガの原因となるアポクリン汗腺
ワキガの主な原因は、アポクリン汗腺から分泌される汗に由来します。ただし、汗そのものは無臭であり、皮膚表面の常在菌が時間の経過とともに、この汗に含まれる脂質やたんぱく質を分解することで、特有の強い臭いが生じます。

臭いが強まりやすいのは、ワキの下が蒸れているときや、汗・皮脂・分泌物がワキ毛や皮膚にたまっているときです。運動後や暑い季節、長時間同じ姿勢で過ごすとき、通気性の悪い衣類を着用しているときなどは、特に臭いが目立ちやすくなります。さらに、時間の経過とともに分解が進むため、朝よりも夕方のほうが臭いを感じやすいことがあります。
一時的に臭いを強める要因としては、緊張やストレス、睡眠不足、月経前後のホルモン変動、香辛料やニンニク、アルコールの摂取などが挙げられます。
アポクリン汗腺を除去する方法

アポクリン汗腺を除去する代表的な方法が「剪除法(せんじょほう)」による手術です。剪除法は「皮弁法(ひべんほう)」とも呼ばれ、ワキの下の皮膚を切開し、ワキガの原因となるアポクリン汗腺を直接取り除く手術方法です。
手術の流れは、まず局所麻酔を行い、ワキの下を約2〜3センチ切開します。その後、皮膚を反転させ、アポクリン汗腺を確認しながら丁寧に切除し、最後に傷口を縫合して終了します。剪除法はアポクリン汗腺そのものを取り除くため、ワキガの根治が期待できる治療法です。
また、汗腺を直接除去する方法ではありませんが、アポクリン汗腺を熱で焼灼・破壊する「ミラドライ治療」もワキガの根治が期待でき、有効な治療法として挙げられます。
アポクリン汗腺を焼灼・破壊するミラドライ

ミラドライは、マイクロ波を用いて汗腺を熱で焼灼・凝固させ、その働きを停止させることで、ワキ汗やワキガの症状を改善する医療機器です。国内では重度の原発性腋窩多汗症の治療を目的に厚生労働省の薬事承認を受けており、米国では腋窩多汗症、腋臭症、さらに減毛を適応として承認されています。
ミラドライに用いられるマイクロ波(電磁波の一種)は、水分子を振動させることで熱を発生させる性質を持ち、この原理は電子レンジと同じ仕組みです。治療の際には専用のバイオチップで皮膚を吸引し、標的となる深部の汗腺にマイクロ波を照射して「ヒートゾーン」を形成し、効果的に汗腺を破壊します。
海外で行われた臨床研究では、ワキ汗に対してミラドライを受けた患者の81.7%で、治療から1年後も発汗の減少が持続していました。また、ワキガに対しては、治療直後に80%の方が臭いを気にしなくなり、治療2年後でも89%の方でその効果が持続したという結果が報告されています 1)。
まとめ
汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。アポクリン汗腺から分泌される汗には脂質やたんぱく質が多く含まれており、これが皮膚表面の常在菌によって分解されることで、ワキガ特有の臭いが生じます。
アポクリン汗腺を取り除く代表的な方法として「剪除法」があります。また、直接汗腺を除去する方法ではありませんが、アポクリン汗腺を熱で焼灼・破壊する「ミラドライ治療」も有効な治療法として知られており、ワキガの根治が期待できます。
ワキガの症状を抑える治療法には、剪除法やミラドライのほか、外用薬やボトックス注射などもあります。最適な治療法は患者さんの症状や生活スタイルによって異なるため、ワキガでお悩みの方は、まず専門医にご相談いただくことをおすすめします。
ワキ汗やワキガ治療ならルキナ新宿四谷クリニック
東京都新宿区のルキナ新宿四谷クリニックでは、ミラドライ、ボトックス、外用薬などを用いたワキ汗やワキガ治療を提供しています。
当院では、外科専門医や形成外科専門医の資格を持つ医師が、患者さま一人ひとりの状態を丁寧に診察し、それぞれに最適な治療方法を提案いたします。
ワキ汗やワキガでお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。

ミラドライに関する補足情報
・治療内容:重度の腋窩多汗症のミラドライ治療(自由診療)
・治療期間及び回数:1回
・治療費用(税込):148,000円〜278,000円
・主なリスクや副作用:治療部位の腫れ・痛み・色素沈着


著者情報

2023年2月1日に開院した東京都新宿区四谷の美容外科・内科を標榜するクリニック。
当院では外科専門医、形成外科専門医が、長年の診療経験に基づいた「安全な医療」を「適正な料金」で提供しています。