東京都新宿区四谷の「ルキナ新宿四谷クリニック」です。当院では、患者さま一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療を行っています。
ワキガの治療で手術を勧められたものの、傷跡や術後の生活が気になって決めきれない方は少なくありません。ワキガは医学的には腋臭症と呼ばれ、手術以外にも治療の選択肢があります。
この記事では、手術を慎重に考えた方がよいケースと、切らない治療法について解説します。
この記事の監修者

日本外科学会認定 外科専門医・指導医。
外科医として、幅広い治療に従事する中で、患者様一人ひとりが抱える身体的な悩みや生活の質に向き合う医療の重要性を実感。「身体的な悩みを解消し、患者様が前向きで豊かな人生を歩んでほしい」という想いのもと、ルキナ新宿四谷クリニックを開院。専門性に基づいた診療と丁寧な説明を大切にし、患者様が安心して相談できる医療の提供を目指している。
ワキガ手術はしない方がいい?答えは症状の程度で分かれます
結論から申し上げると、「ワキガ手術はしない方がいい」と言えるのは次のような場合です。
- においが軽度で、日常生活に支障がない
- 脇に傷跡が残ることに抵抗がある
- 術後のダウンタイムを確保できない
においが軽度で日常生活に支障がない段階であれば、セルフケアやデオドラント製品での対策から始めて差し支えありません。それで気にならない程度に収まる方もいらっしゃいます。
においが中等度から重度の場合は、原因となるアポクリン汗腺そのものに働きかける治療が選択肢になります。ここで候補になるのがミラドライと手術です。どちらも汗腺にアプローチする治療で、大きな違いは皮膚を切開するかどうかにあります。ミラドライは切開せずマイクロ波を照射する治療、手術は皮膚を切開して汗腺を取り除く治療です。
傷跡やダウンタイムが気になる方にとっては、手術の前にミラドライを検討する価値があります。切開をともなわないため脇に傷跡が残らず、日常生活への影響も手術に比べて小さく済みます。
なお、においではなくワキ汗の量が悩みの中心である場合は、保険が使える外用薬やボトックス注射が選択肢になります。自分の悩みがにおいなのか汗の量なのかによって、治療の方向性が変わります。
ただし、においの程度は自分では判断しにくいものです。強いと思っていても診察では軽度にあたることがあり、逆の場合もあります。治療法を絞り込む前に、まずは医師の診察を受け、正確な診断を受けることが大切です。
ワキガ手術(剪除法)で知っておきたいデメリット
ワキガの手術には、保険が使えるという利点があります。一方で、皮膚を切開する治療である以上、避けられない負担もあります。主なものは、術後の安静期間、傷跡、においが残る可能性、そして合併症の4つです。
術後1〜2週間は腕の動きが制限される
剪除法では、切開した皮膚がしっかり癒着するよう、脇を圧迫して固定します。この期間はおよそ1〜2週間とされ、その間は腕を大きく動かすことができません。
洗髪や着替えといった日常の動作にも不便が生じます。仕事や家事を休みにくい方、育児中の方にとっては、この安静期間が最も大きなハードルになります。手術そのものは日帰りで受けられる場合もありますが、術後の生活まで含めて予定を立てる必要があります。
切開するため傷跡が残ることがある
剪除法では脇のしわに沿って4〜5cmほど切開するため、傷跡が残ることがあります。時間の経過とともに目立ちにくくなることが多いものの、体質によっては傷跡が硬く盛り上がった状態になる場合もあります。
傷跡の残り方には個人差が大きく、事前に予測することは困難です。術後の傷跡が気になる場合は、切開をともなわない他の治療法を検討することも大切です。
ワキガ手術の傷跡については「ワキガ手術の傷跡は残る?術後の経過と目立たせないためのポイントを解説」で詳しく解説しています。
汗腺を取り切れずにおいが残る場合がある
剪除法は、皮膚を裏返してアポクリン汗腺を目で確認しながら取り除く術式です。ただし汗腺は微細で、すべてを取り切ることは容易ではありません。取り残しがあると、においが残ることがあります。
手術を受けたのににおいが気になるという方の中には、この取り残しが関係している場合があります。また、手術で汗腺を除去しても、術後しばらくは創部の状態によって一時的なにおいが生じることがあります。においの変化が続く場合は、自己判断せず手術を受けた医療機関に相談してください。
血腫や感染などの合併症が起こることがある
切開をともなう手術ですから、術後に血腫や感染、皮膚の血行障害といった合併症が起こる可能性があります。頻度は高くありませんが、起きた場合は治癒までに時間がかかり、傷跡にも影響します。
ワキガ手術を慎重に考えた方がよい5つのケース
次の5つに当てはまる場合は、手術以外の選択肢を検討する価値があります。あくまで目安ですので、最終的に診察を受けたうえで判断することが重要です。
1. においやワキ汗が軽度で、日常生活への影響が少ないとき
においやワキ汗が軽度にとどまり、日常生活で困る場面がほとんどないのであれば、切開をともなう手術は負担が大きすぎます。
手術は、においが強く人との距離が気になる、衣類へのにおい移りが続くといった、生活への影響が大きい場合に検討する治療です。
2. 脇に傷跡を残したくないとき
剪除法では脇に4〜5cmの切開が入るため、傷跡が残ることがあります。
傷跡を避けたい場合は、切開をともなわないミラドライが選択肢になります。
3. 1〜2週間の安静期間を確保できないとき
剪除法では術後に脇を圧迫固定するため、腕を大きく動かせない期間がおよそ1〜2週間続きます。この間、仕事や家事を通常どおりこなすことは難しくなります。
まとまった休みが取れない方が無理に手術を受けると、安静を守れずに傷の治りに影響する可能性があります。生活の都合がつくまで待つか、ダウンタイムの短い治療を選ぶ方が現実的です。
4. 思春期前のお子さんのとき
アポクリン汗腺は思春期に発達するため、成長の途中で手術を行っても、その後の発達によってにおいが再び気になる可能性があります。
また、お子さんにとって切開をともなう手術や長期間の安静は負担が大きいものです。年齢や症状の程度によって適した治療は異なりますので、まずは相談から始めてください。
お子さんのワキガ治療については「こどもミラドライ」でご案内しています。
5. ワキガと診断されたわけではないとき
においが気になっていても、診察するとワキガに該当しない方もいらっしゃいます。自分のにおいを実際より強く感じてしまう状態もあり、この場合は手術を受けてもお悩みの解決につながりません。
また、悩みの中心がにおいではなくワキ汗の量である場合は、保険が使える外用薬やボトックス注射といった治療が候補になります。汗の量が減ることで、においが気にならなくなる方もいらっしゃいます。
ワキガかどうかの判断については「ワキガの診断と受診の流れ|セルフチェックと治療法もわかりやすく解説!」で詳しく解説しています。
手術をしない場合のワキガ治療の選択肢
手術以外の治療は、セルフケア、外用薬・ボトックス注射、ミラドライの3つに整理できます。このうち、においの原因となるアポクリン汗腺に働きかけるのはミラドライです。
セルフケア・デオドラント製品
においが軽度であれば、日々のケアで対応できる場合があります。汗をこまめに拭き取る、通気性のよい衣類を選ぶ、脇を清潔に保つといった習慣が基本です。
市販のデオドラント製品には、においを抑える成分や汗を抑える成分が配合されたものがあります。においが一定以上ある場合、セルフケアやデオドラント製品では対応が難しいことも少なくありません。
外用薬・ボトックス注射(ワキ汗の治療)
エクロックゲルやラピフォートワイプといった外用薬、そしてボトックス注射は、いずれもワキ汗に対する治療です。ワキ汗を出すエクリン汗腺に作用し、汗の量を抑えます。
汗の量が減ることで、においが気にならなくなる方もいらっしゃいます。ワキ汗とにおいの両方に悩んでいる場合は、こうした治療から始めるという選択肢もあります。
これらの外用薬は原発性腋窩多汗症に対して保険が適用されます。ボトックス注射は重度の原発性腋窩多汗症に限って保険適用となり、効果はおよそ4〜9か月で薄れるため、継続するには繰り返しの注射が必要です。
ミラドライ(切らない治療)
ミラドライは、脇の皮膚の上からマイクロ波を照射し、その熱で汗腺に作用する治療です。切開をともなわないため、脇に手術のような傷跡が残りません。
国内では2018年に、重度の原発性腋窩多汗症を治療する医療機器として厚生労働省の製造販売承認を取得しています。米国では、脇の多汗症に加えて、においの軽減や減毛についても認められています。
日帰りで受けられ、手術のような長期の安静期間は必要ありません。当日はシャワーも可能です。ただし照射後は腫れや赤み、一時的なしびれなどが生じることがあり、数日から数週間かけて落ち着いていきます。保険適用外の自由診療となる点も、事前に確認しておきたいところです。
ミラドライについては「ミラドライによるワキガ・ワキ汗治療」で詳しくご案内しています。
治療法の比較
| 治療 | 対象 | 切開 | ダウンタイム | 保険 |
|---|---|---|---|---|
| セルフケア | におい(軽度) | なし | なし | ー |
| 外用薬 | ワキ汗 | なし | なし | 適用(腋窩多汗症) |
| ボトックス注射 | ワキ汗 | なし | ほぼなし | 重度の腋窩多汗症で適用 |
| ミラドライ | におい・ワキ汗 | なし | 数日〜数週間の腫れ等 | 自由診療 |
| 剪除法(手術) | におい・ワキ汗 | あり | 1〜2週間の安静 | 適用 |
においを抑えたいのか、汗の量を抑えたいのか。そして傷跡や休みをどこまで許容できるのか。この2点が決まると、選ぶべき治療は絞り込めます。
手術とミラドライ、どちらを選ぶかの考え方
においが中等度から重度で、汗腺に働きかける治療を検討する段階になったら、比較の中心は手術とミラドライになります。判断材料は、切開の有無、ダウンタイム、費用の3点です。
| 項目 | 剪除法(手術) | ミラドライ |
|---|---|---|
| 切開 | あり(脇に4〜5cm) | なし |
| 傷跡 | 残ることがある | 切開による傷跡は残らない |
| ダウンタイム | 1〜2週間の圧迫固定 | 腫れや赤みが数日〜数週間 |
| 麻酔 | 局所麻酔または全身麻酔 | 局所麻酔 |
| 費用 | 保険適用 | 自由診療 |
| 主なリスク | 血腫、感染、傷跡の変化 | 腫れ、赤み、一時的なしびれ |
傷跡と休みを優先するならミラドライ
脇に傷跡を残したくない方、まとまった休みを取れない方には、ミラドライが向いています。切開をともなわないため手術のような傷跡が残らず、日常生活への影響も限られます。
自由診療となるため費用の負担は大きくなりますが、仕事や学業を止めずに治療を進められる点を重視するなら、有力な選択肢です。
費用を抑えることを優先するなら手術
保険が使える点は、剪除法の大きな利点です。費用面での負担を抑えて治療を受けたい場合は、手術が現実的な選択になります。
ただし、傷跡が残る可能性と1〜2週間の安静期間は避けられません。この2つを受け入れられるかどうかが判断の分かれ目です。
迷ったら、まず診察で状態を確認する
どちらが適しているかは、においの程度や汗腺の分布、脇の皮膚の状態によっても変わります。ご自身の希望とあわせて医師と相談しながら決めていくことが、納得のいく治療につながります。
ワキガ治療の費用と保険適用
ワキガ・ワキ汗の治療は、保険が使えるものと自由診療になるものに分かれます。剪除法と外用薬は保険適用の対象となる場合があり、ミラドライは自由診療です。
保険が適用される治療
保険が使えるのは、剪除法による手術と、原発性腋窩多汗症に対する外用薬です。ボトックス注射も、重度の原発性腋窩多汗症と診断された場合に限って保険適用となります。
いずれも診断が前提となるため、まずは診察を受けて、ご自身が適用の対象にあたるかを確認する必要があります。
ミラドライの費用
ミラドライは保険適用外の自由診療です。当院の費用は次のとおりです。
| 施術 | 費用(税込) |
|---|---|
| ミラドライ 広範囲ダブル照射 | 278,000円 |
| ミラドライ 広範囲シングル照射 | 220,000円 |
| ミラドライ 通常照射 | 188,000円 |
| ミラドライ 広範囲ダブル照射(子ども) | 258,000円 |
| ミラドライ 通常照射(子ども) | 178,000円 |
費用や照射方法の詳細は「ミラドライによるワキガ・ワキ汗治療」でご案内しています。
よくある質問
ワキガ手術は一生に一度で済みますか?
多くの場合は、1度の手術でワキガの改善が期待できます。ただし、汗腺の取り残しなどでにおいが残った場合には、再手術を検討することがあります。
一度切開した部分を再び手術することになるため、初回よりも難易度が上がり、傷跡への影響も大きくなります。初回の手術を受ける医療機関を慎重に選ぶことが大切です。
ワキガ手術をしたのに、においが残るのはなぜですか?
アポクリン汗腺を取り切れていない可能性があります。汗腺は微細で、直視下で取り除く術式であってもすべてを除去するのは容易ではありません。
また、においの感じ方そのものが原因になっている場合もあります。手術後もにおいが気になる状態が続くときは、手術を受けた医療機関に相談してください。
ワキガのにおいが強くなるのは何歳ごろですか?
アポクリン汗腺は思春期に発達するため、10代から20代にかけてにおいが気になり始める方が多い傾向があります。
その後の変化には個人差があります。年齢を重ねるとともににおいが落ち着いたと感じる方もいらっしゃいますが、必ずしもそうなるとは限りません。
手術をせずにワキガを治すことはできますか?
においの原因となるアポクリン汗腺に働きかける治療としては、切開をともなわないミラドライがあります。手術以外の方法でにおいへの対策を進めたい場合の選択肢になります。
ただし、症状の程度によって適した治療は異なります。どの方法が合うかは診察のうえで判断します。
ミラドライの効果はどのくらい続きますか?
ミラドライは、マイクロ波の熱を汗腺に集中させる治療です。熱の影響を受けた汗腺は再生しにくいとされており、長期的な効果が期待できます。
実際にどの程度の変化が見込めるかは、診察のうえでご説明します。
まとめ|手術をするかどうかは、症状と生活の両面から考えましょう
「ワキガ手術はしない方がいい」と言えるのは、においが軽度で日常生活への影響が少ない場合と、中等度から重度であっても脇に傷跡を残したくない場合、術後のダウンタイムを確保できない場合です。
一方で、においが強く生活に支障が出ているのであれば、汗腺に働きかける治療を検討する段階にあります。その際の選択肢は、切開をともなわないミラドライと、保険が使える剪除法の2つです。傷跡と休みを優先するならミラドライ、費用を抑えることを優先するなら手術が候補になります。
どの治療が適しているかは、においの程度や汗腺の状態、生活の状況によって変わります。まずは診察を受けて現在の状態を確認することから始めてください。
ワキガ治療ならルキナ新宿四谷クリニック
東京都新宿区四谷のルキナ新宿四谷クリニックでは、ワキ汗やワキガにお悩みの患者さまに対して、ミラドライ治療を行っています。
当院のミラドライ治療では、施術後のワキ汗やワキガの再発を防ぎ、1回の施術で満足いただける結果を得るために、「最大出力の広範囲ダブル照射」を行っています。また、ミラドライの施術は、ミラドライ公式認定医である外科専門医が担当します。
ミラドライ治療をご検討中の方には、LINE公式アカウントでの無料相談も承っております。お気軽にご相談ください。
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日本外科学会認定 外科専門医・指導医。
外科医として、幅広い治療に従事する中で、患者様一人ひとりが抱える身体的な悩みや生活の質に向き合う医療の重要性を実感。「身体的な悩みを解消し、患者様が前向きで豊かな人生を歩んでほしい」という想いのもと、ルキナ新宿四谷クリニックを開院。専門性に基づいた診療と丁寧な説明を大切にし、患者様が安心して相談できる医療の提供を目指している。