プラセンタ(placenta)とは胎盤のことを指し、その有効成分を体内に取り込むことで疲れや自律神経の乱れ、更年期症状など様々な症状に対して効果を発揮します。プラセンタについて、当院のプラセンタの診療内容をご紹介します。

プラセンタとは

プラセンタ(placenta)とは胎盤のことです。ヒトの胎盤から有効成分のみを抽出し、高圧滅菌処理したものをプラセンタエキスとよびます。プラセンタエキスを注射することでプラセンタの有効成分が体内に取り込まれ、疲れや自律神経の乱れ、更年期症状など様々な症状に対して効果を発揮します。

国内ではメルスモンとラエンネックの2つが医薬品として認可されています。

プラセンタの作用と適応疾患

プラセンタ注射は、様々な症状の改善や緩和に効果が認められます

・内分泌調整作用:更年期障害、乳汁分泌不全のある方。むくみや生理不順が気になる方。
・自律神経調整作用:自律神経失調症、抑うつ、不眠症のある方。
・免疫賦活作用および免疫調節作用:花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状のある方。
・抗炎症および抗疲労作用:関節痛、肩こり、筋肉痛、筋肉疲労が抜けない方。
・肝機能改善,解毒作用:アルコール性肝障害、お酒を沢山お飲みになる方。
・活性酸素除去作用:シミ、しわ、老化、くすみ、肌荒れが気になる方。
・血行促進作用:むくみ、冷え性、乾燥が気になる方。
・基礎代謝向上作用:体力の衰え、冷え性、太りやすい方。

メルスモンは、更年期障害(おおむね45〜59歳の女性)・乳汁分泌不全 (産後1年以内)の方は保険適用となります。

ラエンネックは、慢性肝疾患における肝機能障害をお持ちの方は保険適用となります。

投与方法と治療間隔

皮下もしくは筋肉内に注射します。1アンプル(1本2ml)から5アンプル(5本10ml)を、1週間から2週間に1度を目安に注射します。

疾患や症状の程度により適切な注射の頻度と量は異なりますが、注射の回数を重ねるごとに効果を実感しやすくなります。プラセンタ注射は継続することが大切です。

なお、更年期障害や乳汁分泌不全、肝機能障害の改善を目的として保険診療で注射する際は、基本的に1回1アンプルまで(ラエンネックは1日3回まで)と決められています。妊娠中や、施術期間中に妊娠が発覚したりしても特に問題はありません。

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副作用について

注射部位に痛みが生じたり、周囲に青あざができることがありますが、通常の注射と大差ありません。

胎盤含有量はラエンネックの方が10%ほど高いですが、メルスモンと比べて痛みが出やすい傾向があります。メルスモンには添加物としてベンジルアルコールという痛み止めの成分が含まれています。

このような背景から当院では、メルスモンを採用しています。

安全性について

国内ではメルスモンとラエンネックの2つが医薬品として認可されています。

いずれの医薬品も、日本国内の健康な母親から正常分娩で生まれたヒトの胎盤を原材料としています。肝炎やHIVなどのウィルスや細菌などの感染症の検査が実施されたのちに、高圧滅菌をはじめとした様々なウィルス不活化処理が行われます。

ヒトの胎盤組織から作られるため、理論的には感染の危険性はゼロとは言えません。しかし、1959年にメルスモン、1974年にラエンネックがそれぞれ保険適応となって以降、国内外でクロイツフェルト・ヤコブ病を含めた感染症の報告は1例もありません(理論上、感染のリスクは100億人中4人程度と報告されています ※研究報告1)。

なおプラセンタを使用した場合、医師には20年間のカルテ保存期間が義務付けられており、注射した製剤のロット番号の記載を求められるなど、安全性には十分配慮されています。

※研究報告1
1)長瀬眞彦.更年期,柊痛,美容などにプラセンタ療法~抽出エキスの皮下注射やツボ注射,サプリメント,化粧品で.東京:ハート出版;2011.p45,33.

献血について

プラセンタ注射は特定生物由来製品であり,クロイツフェルト・ヤコブ病の感染リスクをできる限り少なくするため,注射後は献血できないという制約があります。これはプラセンタに限らず、血液製剤(輸血製剤)・免疫グロブリン・インターフェロンなど他の特定生物由来製品にも同様の制限があります。

プラセンタが発売されて60年以上が経過し、感染症の報告がない中で過剰な対応とも言えます。

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当院の費用について

プラセンタ注射を初めて受けられる方は、医師による問診・説明が必要です(診察料をいただきます)。2回目以降で、注射のみをご希望の方は、診察料はかかりません。

メルスモンは、更年期障害(45〜59歳の女性)・乳汁分泌不全 (産後1年以内)の方は保険適用となります。

当院では、プラセンタ注射を適正価格で行わせていただいております

※費用は税込価格です。
※別途、初回のみ診察料がかかります。

プラセンタ注射(メルスモン)

1アンプル(1本2ml)※保険診療
約500円
1アンプル(1本2ml)※自由診療
900円
2アンプル(2本4ml)※自由診療
1,500円
3アンプル(3本6ml)※自由診療
2,100円
4アンプル(4本8ml)※自由診療
2,700円
5アンプル(5本10ml)※自由診療
3,300円