東京都新宿区四谷の「ルキナ新宿四谷クリニック」です。
このようなお悩みや疑問はありませんか?
「ワキガの臭いは何が原因で起こるの?」
「ワキガの原因を知って、改善できる方法があれば知りたい…」
ワキガは、その独特な臭いから日常生活に支障をきたし、悩みを抱える方が多くいらっしゃいます。また、ワキガの具体的な原因やメカニズムが分からずに困っている方も少なくありません。
そこで本記事では、ワキガの主な原因である「アポクリン汗腺」と、臭いが発生するメカニズムについて解説します。また、ワキガの発症要因や対策、治療法についても特集しています。ぜひご参考ください。
ワキガ(腋臭症)とは?
ワキガとは、ワキから特有の臭いを放つ状態を指し、医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」とも呼ばれる病気です。人の皮膚には、汗をつくり皮膚の表面へと送り出す「汗腺」という管があり、この汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。
エクリン汗腺とアポクリン汗腺
■エクリン汗腺
全身に分布しており、主に体温調節のために働きます。サラサラとして臭いを伴わない汗が特徴。
■アポクリン汗腺
ワキ、乳首、下腹部、耳など限られた部位に分布しており、脂質やタンパク質を含む汗を分泌。
ワキガは、アポクリン汗腺から分泌される皮脂やタンパク質を多く含む汗が、皮膚表面の常在菌によって分解されることで発生します。ワキガの発症には、遺伝的素因や性ホルモンの影響が関与しているほか、腋毛の量、精神的要因(ストレスや緊張など)も臭いの発生に関係しています。日本人では、約10%程度がワキガであると考えられています。
ワキガの主な原因と発症メカニズム
ワキガの原因は「アポクリン汗腺」から分泌される汗にあります。アポクリン汗腺から分泌される汗には、タンパク質や脂質が多く含まれており、この成分が皮膚表面の常在菌によって分解されることで、ワキガ特有の強い臭いが発生します。
アポクリン汗腺から分泌される汗そのものは無臭ですが、腋の下で皮膚常在菌と混ざり合うと、低級脂肪酸や揮発性硫黄化合物といった臭いの強い物質に分解され、特有の臭いが発生します。
ワキガの臭いは、硫黄臭やスパイシー臭、雑巾様臭などと表現されることが多くなっています。
ワキガの発症要因|遺伝や生活習慣との関連性
日本人の約10人に1人がワキガを発症すると言われています。それでは、ワキガを発症する人としない人の違いには、どのような要因があるのでしょうか?
ここでは、ワキガの主な発症要因である「遺伝」「性ホルモン」「食生活やストレス」についてご紹介します。
遺伝的要因
ワキガは遺伝的要素が強いとされています。両親がワキガの場合、その子どもも発症する可能性が高くなります。また、両親のどちらか一方がワキガである場合よりも、両親ともにワキガの場合の方が遺伝による発症確率はさらに高まるとされています。
性ホルモンの影響
アポクリン汗腺の活動は、男性ホルモンなどの性ホルモンの影響を受けて活性化します。男性ホルモンは女性の体内でも分泌されており、女性ホルモンも同様に男性から分泌されています。
思春期にあたる第二次性徴期から20代にかけては、性ホルモンの分泌量が男女ともに増加します。そのため、ワキガを発症するピーク年齢は10代後半から20歳頃と考えられています。
食生活やストレス
ワキガには、食生活やストレスも影響しています。脂肪分や油分の多い食品を多く摂取するなど、食生活が乱れると、体内で分解しきれなかった脂肪分が汗として排出され、ワキガの原因となります。また、仕事などでストレスが溜まると、アポクリン汗腺の活動が活発になり、汗の量が増加します。これにより、ワキガが悪化する可能性があります。
ワキガのセルフチェック方法
自分がワキガであるかどうかを把握するためのセルフチェックとしては、主に以下の5つのチェック項目が挙げられます。以下に該当する項目が多いほど、ワキガの可能性が高くなります。
ワキガのセルフチェック
□ 耳垢が湿っている
□ 家族の中でワキガの人がいる
□ 腋毛が濃い
□ 脇の下に黄ばんだシミができやすい
□ 緊張した時やストレスが溜まっている時に、体臭が強くなる
耳垢が湿っている
ワキガの方は、耳垢が湿っていることが多いとされています。耳にはワキと同様にアポクリン汗腺が多く存在しているため、アポクリン汗腺の活動が活発なワキガの方は、耳垢が湿りやすい傾向があります。
家族にワキガの人がいる
ワキガの発症には遺伝的要素が関与するとされています。家族、特に両親がワキガの場合、自分もワキガである可能性が高くなります。両親ともにワキガである場合、子供がワキガになる確率は75%以上とされており、片方の親がワキガの場合でも、その確率は50%以上とされています。
腋毛が濃い
腋毛の量が多い場合、毛穴の数も多く、それに伴ってアポクリン汗腺が多く存在している可能性があります。また、脇毛があることで汗が毛の根元に溜まりやすくなり、これが常在菌によって分解されることでワキガの臭いが強くなることがあります。
腋の下に黄ばみができやすい
ワキガによる黄ばみは通常の黄ばみと異なり、短期間の着用で黄ばむことが特徴です。洋服の黄ばみは通常、汗と皮脂の蓄積が原因です。洋服に染み込んだ汗や皮脂が洗濯で完全に除去されず、繊維が酸化することで黄ばみとして現れます。
一方、ワキガによる洋服の黄ばみは、一般的な黄ばみとは原因が異なります。ワキガが原因の黄ばみは、アポクリン汗腺から分泌される汗に含まれる「リポフスチン」という成分が原因です。このリポフスチンが洋服に付着し、洗濯しても除去できない場合、黄ばみとして残ります。
緊張やストレスで体臭が強くなる
ワキガの方は、緊張やストレスといった精神的な要因でアポクリン汗腺が活性化し、体臭が強くなることがあります。特に、精神的な負荷がかかった際に体臭が強くなる場合、ワキガのサインの一つと考えられます。
ワキガの対策と予防法
ワキガは遺伝的要素によって発症することもあり、予防や対策だけで臭いを完全に抑えるのは難しい場合があります。しかし、以下のような対策を行うことで、ワキガの臭いを軽減することが期待できます。
食生活の改善
高カロリー・高脂肪の食品は、ワキガの臭いを悪化させる可能性があります。これらの食品を避け、タンパク質を摂取する際には大豆製品や魚を中心に選ぶと良いでしょう。食生活を見直すことで、ワキガの臭いの軽減が期待できます。
ストレスを発散する
過度なストレスは自律神経を刺激し、ワキや手のひらに「精神性発汗」を促進させます。その結果、ワキガの原因であるアポクリン汗腺からの汗の量が増加し、臭いが強くなる場合があります。また、ストレスが常在菌の増殖を引き起こし、ワキガの臭いが強くなることもあります。適度にストレスを発散することが大切です。
定期的に運動を行う
定期的に運動をして汗をかくことで、体内に溜まった老廃物が排出され、皮膚の常在菌の繁殖を抑えることが期待できます。さらに、運動はストレス発散にもつながり、ワキガの臭いを和らげる効果が期待できます。
お酒や喫煙を控える
お酒に含まれるアルコールやタバコのニコチンには、汗腺を刺激する作用があります。これらの摂取はアポクリン汗腺を活発にし、ワキガの原因や悪化に繋がる可能性があります。そのため、アルコールやタバコは控えることが推奨されます。
その他の対策
ワキ汗をこまめに拭き取る、細菌の繁殖につながるワキ毛を処理する、制汗剤を活用するなどもワキガの臭い軽減に役立ちます。
上記の対策を行ってもワキガの改善が見られない場合は、ワキガ治療を行う専門クリニックを受診することも解決策の一つです。
ワキガの治療法
ワキガの治療には、保存的治療(外用薬、ボトックス注射など)と手術療法(剪除法・皮弁法など)があります。また、保存的治療と手術療法の中間に位置する治療法として、マイクロ波を用いた「ミラドライ」があります。
保存的治療
外用薬には、保険適用が認められていない塩化アルミニウム、保険適用が認められているエクロックゲルやラピフォートワイプが挙げられます。塩化アルミニウムはエクリン汗腺にフタをすることで発汗を抑制し、エクロックゲルやラピフォートワイプは、汗腺を刺激する物質であるアセチルコリンの作用を阻害して発汗を抑制します。
ボトックス注射は、重度の腋窩多汗症にのみ保険適用が認められており、神経終末からのアセチルコリン放出を抑制することで神経伝達を阻害し、主にエクリン汗腺からの汗の分泌を抑えます。
手術療法(剪除法・皮弁法)
手術療法の剪除法・皮弁法は、ワキガ(腋臭症)の治療として保険適用が認められており、ワキを切開しアポクリン汗腺を直接切除します。アポクリン汗腺を目視で確実に除去することで、ワキガの根治が可能です。
ミラドライ
保存的治療と手術療法の中間に位置するミラドライは、マイクロ波を用いて汗腺を熱で焼灼・凝固させます。熱で焼灼・凝固された汗腺は活動を停止し、半永久的に活動することはありません。保険適用は認められていませんが、手術療法と同様にワキガやワキ汗の根治治療が可能で、なおかつ切開が不要なため、画期的なワキガ・ワキ汗治療法として近年注目を集めています。
まとめ:ワキガの原因と悩みを解決する方法
本記事では、ワキガの原因や臭いの発生メカニズム、対策および治療法などについて特集しました。
ワキガの原因は、汗腺の中でも「アポクリン汗腺」から分泌される汗にあります。アポクリン汗腺から分泌される汗にはタンパク質や脂質が多く含まれており、これらの成分が皮膚表面の常在菌によって分解されることで、ワキガ特有の強い臭いが発生します。
ワキガの主な発症要因には、「遺伝」「性ホルモン」「食生活やストレス」などが挙げられます。対策としては、食生活の改善やストレスを溜めないこと、定期的な運動などが有効です。ただし、ワキガは遺伝的な要素によって発症することもあり、こうした予防や対策だけで臭いを完全に抑えるのは難しい場合が多くなっています。
そのような場合には、ワキガ治療を行う専門クリニックを受診することも解決策の一つです。ルキナ新宿四谷クリニックでは、ワキ汗・ワキガの専門的治療を提供しています。お気軽にご相談ください。
ワキガ治療ならルキナ新宿四谷クリニック
東京都新宿区のルキナ新宿四谷クリニックでは、ミラドライ、ボトックス、外用薬などを用いたワキガ治療を提供しています。当院では、外科専門医や形成外科専門医の資格を持つ医師が、患者さま一人ひとりの状態を丁寧に診察し、それぞれに最適な治療方法を提案いたします。
ワキガでお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。
著者情報
2023年2月1日に開院した東京都新宿区四谷の美容外科・内科を標榜するクリニック。
当院では外科専門医、形成外科専門医が、長年の診療経験に基づいた「安全な医療」を「適正な料金」で提供しています。
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