ミラドライは、マイクロ波(電磁波)を利用して汗腺に熱を加えることで、ワキ汗やワキガを改善する治療です。「マイクロ波」と聞くと、電子レンジを思い浮かべる方も多いと思います。
実際、電子レンジもミラドライもマイクロ波を利用しています。では、ミラドライと電子レンジは何が違うのでしょうか。
今回は、ミラドライで使用されている「5.8GHz」という数字について解説します。
この記事の監修者

医学博士、日本外科学会 外科専門医、日本消化器外科学会 消化器外科専門医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
北里大学医学部を卒業後、自治医科大学 消化器一般移植外科 講師、四谷メディカルキューブ 外科・内視鏡外科などを経て現職。外科医として、幅広い治療に従事する中で、患者様一人ひとりが抱える身体的な悩みや生活の質に向き合う医療の重要性を実感。「身体的な悩みを解消し、患者様が前向きで豊かな人生を歩んでほしい」という想いのもと、ルキナ新宿四谷クリニックを開院。
5.8GHzは「出力」ではなく「周波数」
ミラドライでは、約5.8GHz(ギガヘルツ)のマイクロ波を使用しています。一方、一般的な電子レンジで使用されているマイクロ波は約2.45GHzです。
数字だけを見ると、
5.8 ÷ 2.45 ≒ 2.4
となるため、「ミラドライは電子レンジの2倍以上の出力なの?」と思われるかもしれません。しかし、これは違います。
GHzは「出力」ではなく、電磁波の「周波数」を表す単位です。つまり、ミラドライは電子レンジより約2.4倍高い周波数のマイクロ波を使用しているという意味であり、出力が2.4倍という意味ではありません。
実は電子レンジの方が出力は大きい
電力としての出力はW(ワット)で表します。ミラドライの装置は5.8GHz帯のマイクロ波を使用し、最大出力は100Wです。
一方、家庭用電子レンジでは500W、600Wなどの表示をよく目にすると思います。単純にワット数だけを比較すると、むしろ電子レンジの方が大きな出力です。
では、なぜミラドライはそれより小さな出力で汗腺を熱処理できるのでしょうか。ここがミラドライという医療機器の重要なポイントです。
ミラドライはワキ全体を温めているわけではありません
電子レンジは、食品全体にマイクロ波を照射して加熱することを目的としています。一方、ミラドライはまったく目的が異なります。
ミラドライでは、ハンドピースを皮膚に密着させ、限られた範囲にマイクロ波を照射します。さらに、皮膚と皮下組織の電気的な性質の違いを利用することで、汗腺が多く存在する真皮と皮下脂肪の境界付近に熱が発生するように設計されています。
つまり、大きな出力でワキ全体を加熱するのではなく、必要な深さに効率よく熱を発生させることが重要なのです。
皮膚表面は同時に冷却しています
「汗腺を熱で処理するなら、皮膚も熱くならないの?」と思われるかもしれません。
そこで重要なのが、ミラドライに搭載されている冷却機能です。ミラドライはマイクロ波を照射すると同時に、皮膚表面を冷却しています。
汗腺が存在する深い部分には熱を加えながら、皮膚表面は冷却して保護する。この「加熱」と「冷却」を同時に行う仕組みが、ミラドライ治療の特徴です。
レベル5は「出力を5段階で最大にする」という意味ではありません
当院ではミラドライをレベル5で照射しています。この「レベル5」という言葉から、「100Wの最大出力で照射している」というイメージを持たれるかもしれませんが、実際の仕組みは少し異なります。
ミラドライのエネルギーレベルは、単純にマイクロ波の出力を強くしていく設定ではありません。照射時間を変化させることによって、組織に与える総エネルギー量を調整しています。
そのため、ミラドライ治療では「何Wで照射するか」だけではなく、「どのくらいの時間エネルギーを与えるか」も重要になります。
電子レンジと同じなのは「マイクロ波を使う」という点
ミラドライについて、「電子レンジと同じ原理で汗腺を焼く」と説明されることがあります。大まかなイメージとしては分かりやすいのですが、医療機器としての仕組みを考えると、少し違います。
共通しているのは「マイクロ波によって熱を発生させる」という点です。
しかし、
電子レンジ:約2.45GHz
ミラドライ:約5.8GHz
と使用する周波数が異なり、出力や照射方法、照射範囲、冷却の仕組みも異なります。
ミラドライは、単純に「強いマイクロ波で汗腺を焼く装置」ではありません。比較的小さな出力のマイクロ波を限られた範囲に照射し、汗腺が存在する深さに効率よく熱を発生させながら、皮膚表面を冷却するように設計された医療機器です。
5.8GHzという数字にも意味があります
ミラドライの治療では、単に「熱を加える」だけではありません。
どの周波数のマイクロ波を、どのように組織へ届けるか。
どの深さに熱を発生させるか。
そして皮膚表面をどのように守るか。
こうした仕組みを組み合わせることで、皮膚を切開せずに汗腺へ作用させることができます。
「ミラドライは電子レンジと同じマイクロ波を使っている」と聞くと少し驚かれるかもしれません。しかし実際には、マイクロ波を医療用にコントロールし、汗腺の存在する層を効率よく治療するために設計された機器なのです。
ルキナ新宿四谷クリニックでは、このミラドライの特性を活かし、ワキ汗・ワキガの治療を行っています。
ミラドライに関する補足情報
・治療内容:重度の腋窩多汗症のミラドライ治療(自由診療)
・治療期間及び回数:1回
・治療費用(税込):148,000円〜278,000円
・主なリスクや副作用:治療部位の腫れ・痛み・色素沈着
この記事の監修者

医学博士、日本外科学会 外科専門医、日本消化器外科学会 消化器外科専門医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
北里大学医学部を卒業後、自治医科大学 消化器一般移植外科 講師、四谷メディカルキューブ 外科・内視鏡外科などを経て現職。外科医として、幅広い治療に従事する中で、患者様一人ひとりが抱える身体的な悩みや生活の質に向き合う医療の重要性を実感。「身体的な悩みを解消し、患者様が前向きで豊かな人生を歩んでほしい」という想いのもと、ルキナ新宿四谷クリニックを開院。