ワキから強い臭いがするワキガは、ご自身にとって非常に悩ましい病気です。
鼻にツンとくる独特な臭いは、とても気になるところ…。では、このワキガですが予防法・対策はあるのでしょうか。
この記事では、「ワキガの予防法や対策」について解説します。
ワキガとは
ワキガとは、ワキから特異な臭いを放つ状態を指し、名称は腋（ワキ）の下（ガ）で発生するニオイであることに由来します。医学的には「腋臭症」と呼ばれます。
日本人では、約10人に1人の割合でワキガが発症すると言われています。
ワキガの原因となるアポクリン汗腺
人の皮膚には、汗をつくって皮膚の表面へ送り出す汗腺という管があります。
この汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。
エクリン汗腺は、身体の全身に分布しており、主に体温調節のために汗を出します。サラサラとした、臭いを伴わない汗が特徴です。一方、アポクリン汗腺はワキ、乳首、下腹部、耳など限られた場所に分布しています。臭いのもととなる脂質やたんぱく質を含み、皮膚表面の常在菌によって分解され、独特な臭いの原因となります。
ワキガは、アポクリン汗腺から分泌される皮脂やタンパク質を多く含む汗が、皮膚表面の常在菌によって分解され、特有の臭いが発生します。
ワキガの匂いを防ぐための予防法・対策
ワキガは遺伝によって発症することもあるため、予防法・対策だけでニオイを抑えられない場合があります。
ただし、下記のような予防法・対策を行うことで、ワキガの臭いを軽減することは可能です。
食生活の改善
高カロリー、高脂肪食の食品は、ワキガの原因や臭いを悪化させる可能性があります。高カロリー、高脂肪食の食品は避け、たんぱく質を摂取する場合でも大豆製品や魚を中心に摂取しましょう。食生活を見直すことでワキガの臭いの軽減が期待できます。
ストレスを発散する
過度なストレスは自律神経を刺激し、ワキや手のひらなどの汗を分泌させる「精神性発汗」を促します。その結果、ワキガの原因となるアポクリン汗腺からの汗の量が増えます。
さらにストレスによって、皮膚の常在菌が増殖するため、ワキガの臭いがきつくなってしまう可能性があります。
ストレスは溜めすぎないよう、うまく発散していくことが大切です。
定期的に運動を行う
定期的に運動して汗をかくと、体内に溜まった老廃物を排出することができます。老廃物は皮膚の常在菌の繁殖にも関与するため、この量が減ると、ワキガの臭いを軽減することが期待できます。
また運動はストレス発散にもつながるため、ワキガの臭いの軽減が見込めます。
お酒や喫煙を控える
お酒に含まれるアルコールや煙草のニコチンには、汗腺を刺激する作用があります。アルコールやニコチンを摂取すると、ワキガの原因となるアポクリン汗腺の働きが活発になります。
お酒や喫煙は控えましょう。
その他、ワキガの予防策・対策には「かいたワキ汗を拭き取る」、「細菌の繁殖に繋がるワキ毛を処理する」、「制汗剤などを活用する」ことなどがあげられます。
それでもワキガの悩みが改善されない場合は、ワキガを治療する専門クリニックを一度受診して相談するのも解決策の一つです。
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著者情報
2023年2月1日に開院した東京都新宿区四谷の美容外科・内科を標榜するクリニック。
当院では外科専門医、形成外科専門医が、長年の診療経験に基づいた「安全な医療」を「適正な料金」で提供しています。